断熱材選びのポイント2

2023年5月12日

こんにちは辻浦です。

今回は、前回からの続きで、断熱材選びのポイント2について。

前回は、断熱性能を発揮するうえで施工精度が最も重要だという内容でした。

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断熱材選びのPOINT2:断熱性能を発揮するうえで、内部結露対策をきちんとすることが大切

 

日本には四季や梅雨があり、一年を通じて気候変化の激しい国のため、どうしても住宅の結露問題は起こってしまいます。また、雨などの水分とは違い、湿気はとても粒度が細かく透湿スピードの違いはあっても、基本的にはどんな物質でも通り抜けてしまい完全に結露を防ぐことは難しいです。

 

 

 

株式会社未来住建|安城市|注文住宅・マンションリノベ・定期借地権付分譲

 

 

結露にも種類があります。表面結露内部結露です。

「表面結露」とは、家の窓や室内の壁などに発生する結露のこと。

「内部結露」とは、壁の内部にある隙間に発生する結露のこと。

結露はカビやダニ・シロアリ・木材腐朽菌の発生につながり、柱などを食害や腐朽化させる原因となります。さらに、シックハウスの原因となり家族の健康にも影響を与えます。住宅の大敵は結露なのです。

 

下記グラフは断熱材による調湿性の違いを表したグラフです。一般的によく使われているグラスウールには、調湿機能はほぼありません。また自然素材系の羊毛や、弊社で使用しているセルロースファイバー(デコスファイバー)は調湿性があり、セルロースファイバーは特に吸湿性能に優れています。断熱材の持つ調湿機能は、室内の表面結露、内部結露を防ぐのに大きな効果があります。

 

セルロースファイバーはなぜ調湿機能があるのか?

 

木材と同じセルロース細胞は、水分子と分子結合することにより結合水(自由に移動することができない水)を蓄え、自由水(自由に移動することができる水)を留め置く機能があります。この機能により、湿気を吸ってもすぐに結露することなく調湿することができます。空気中の湿度が変化するとき、結合水の結合や分離が生じることで吸放湿します。

湿気を吸って、ためて、吐くことができる」優れた断熱材です。

吸湿させた壁の沈降試験

 

株式会社未来住建|安城市|注文住宅・マンションリノベ・定期借地権付分譲

 

相対湿度を35%→85%に変化させ、吸湿による重量増加でセルロースファイバーが沈降するか試験を行いましたが、一切の沈降はありませんでした。また、実際の施工に近い状態にして、スチーマーにて、1時間毎×5回×3日間現実では起こりえないほどの過酷な条件で加湿を行いましたが、こちらも一切の沈降は見られませんでした。

まとめ

 

断熱選びにおいて大事なことは、【POINT1断熱性能を100%発揮させるには施工精度が重要】【POINT2内部結露させない対策が必要】どの断熱材を選んだとしてもこの2つのポイントが重要です。

断熱材は「家が着る洋服」のようなもの。湿度をコントロールすることで、建物の高寿命化に貢献します。

セルロースファイバーには、他にも優れた特性がありますのでまたブログでご紹介したいと思います。